九十一番 / 後京極摂政前太政大臣
原文
きりぎりす 鳴くや霜夜の さむしろに
衣片敷き ひとりかも寝む
きりぎりす なくやしもよの さむしろに
ころもかたしき ひとりかもねむ
訳
こおろぎがしきりに鳴いている霜の降るこの寒い夜に、むしろの上に衣の片袖を敷いて、わたしはたったひとり寂しく寝るのだろうか。
きりぎりす 鳴くや霜夜の さむしろに
衣片敷き ひとりかも寝む
きりぎりす なくやしもよの さむしろに
ころもかたしき ひとりかもねむ
こおろぎがしきりに鳴いている霜の降るこの寒い夜に、むしろの上に衣の片袖を敷いて、わたしはたったひとり寂しく寝るのだろうか。