九十番 / 殷富門院大輔
原文
見せばやな 雄島のあまの 袖だにも
濡れにぞ濡れし 色はかはらず
みせばやな をじまのあまの そでだにも
ぬれにぞぬれし いろはかはらず
訳
(涙で色が変わってしまった) わたしの袖をあなたにお見せしたいものです。あの雄島の漁夫の袖でさえ、毎日波しぶきに濡れていても、少しも変わらないものなのに。
見せばやな 雄島のあまの 袖だにも
濡れにぞ濡れし 色はかはらず
みせばやな をじまのあまの そでだにも
ぬれにぞぬれし いろはかはらず
(涙で色が変わってしまった) わたしの袖をあなたにお見せしたいものです。あの雄島の漁夫の袖でさえ、毎日波しぶきに濡れていても、少しも変わらないものなのに。