七十四番 / 源俊頼朝臣
原文
憂かりける 人を初瀬の 山おろしよ
はげしかれとは 祈らぬものを
うかりける ひとをはつせの やまおろしよ
はげしかれとは いのらぬものを
訳
私に冷たかった人の心が変わるようにと、初瀬の観音さまにお祈りしたのだが、初瀬の山おろしよ、そのようにあの人の冷たさがいっそう激しくなれとは祈らなかったではないか…
憂かりける 人を初瀬の 山おろしよ
はげしかれとは 祈らぬものを
うかりける ひとをはつせの やまおろしよ
はげしかれとは いのらぬものを
私に冷たかった人の心が変わるようにと、初瀬の観音さまにお祈りしたのだが、初瀬の山おろしよ、そのようにあの人の冷たさがいっそう激しくなれとは祈らなかったではないか…