三十番 / 壬生忠岑
原文
有明の つれなく見えし 別れより
暁ばかり 憂きものはなし
ありあけの つれなくみえし わかれより
あかつきばかり うきものはなし
訳
あなたと別れたあの時も、有明の月が残っていましたが、(別れの時のあなたはその有明の月のようにつれないものでしたが) あなたと別れてからというもの、今でも有明の月がかかる夜明けほどつらいものはありません。
有明の つれなく見えし 別れより
暁ばかり 憂きものはなし
ありあけの つれなくみえし わかれより
あかつきばかり うきものはなし
あなたと別れたあの時も、有明の月が残っていましたが、(別れの時のあなたはその有明の月のようにつれないものでしたが) あなたと別れてからというもの、今でも有明の月がかかる夜明けほどつらいものはありません。